油揚げ

自分は油揚げが好きなほうだ。甘く煮た油揚げに入れれば大抵のものは食べられるだろうと思う程度には好きだ。

そんな自分が37円の半額油揚げを買った。なぜ好きなのに半額なのか。それは半額だったからとしか言いようがない。

買った油揚げを煮る。本当は湯切りして包丁で切るのがいいのだろうが、洗い物が増えるのでしない。適当に洗って鍋で煮る。煮ながら箸でちぎっていく。砂糖と醤油で味をつけていく。こんな適当な調理でもさしすせそを守る。計量はしないが。

適当に煮詰めたところで器に盛る。油揚げを煮ただけなので適当に盛る。インスタ映えない。そもそもインスタはやってない。

食べる。うまい。そりゃそうだ、油揚げだもの。しかし我ながらこの味付けはいいぞ。計量してないから次回できるかはわからないが。

もそもそと食べながらふと思う

 

こんな適当に油揚げを扱っていいのか?

 

油揚げといえばお稲荷様。神様に供えるような食物を鍋の中で箸でちぎっていいのか。そもそも半額で買っていいのか。もっと言えば、自分のような人間が食べていいのか、油揚げを。

いやしかし。この油揚げ、プライベートブランドである。プライベートブランドに偏見があるわけではないが、きっと工場で大量に生産されているはずだ。いや、おそらく売り場で100円以下の油揚げならたいていそうだろう。職人手作り油揚げなんてきっと100円じゃ買えない。工場で大量生産される神聖な食物。ベルトコンベアーで流れていく神聖な食物。

待てよ。神聖じゃない食物なんて存在するのか?だいたいすべての食物はぞんざいに扱えない。

 

疑問が疑問を呼ぶ。これは仕方ない、考えるのをやめよう。次はもうちょっと甘くしよう。賞味期限今日までだけど。